アートプロジェクト

スイミングプール 東京

林加奈子

私は現在ドイツのベルリンでスイミングプールの調査をしています。ベルリンには63個の市民プールがあることから、“63個のスイミングプールプロジェクト”と名付け、自主的なプロジェクトとして取り組んでいます。「スイミングプール 東京」は、1人の人間の身体がおさまる程の小さなプールです。たくさんの人間が同時に泳げて、自由に身体を動かすことの出来る大きなプールではありません。以前、市民プールは人々に平等に開かれ、人々が集まる社交の場として機能していました。水の中では私たちは皆同じで、私たちは自分を失うことなく全体の一部でした。水はあらゆる形態に順応できます。自分の形態 : 身体の境界を感じながら、その境界を誰かと共有しているような、一部と全体の境界がぼやけて、あなたと私が水で繋がっている感覚。

現在、他者との接触、社交の場に制限のある状況。「スイミングプール 東京」の空間は、この私たちを取り巻く距離を探りながら空想上のスイミングプールを浮かび上がらせたいと思います。

(2020年3月現在)

(林加奈子)

1: スイミングプール – 東京ビエンナーレ2020でのプラン、2020
2: Water Dance、2014、ニューヨーク、アメリカ
3: Water Negotiation、2017、ベルリン、ドイツ、 Photo: Wolfgang Bellwinkel

作家について

林加奈子 (美術家)

1981 年、大阪府生まれ。ベルリン(ドイツ)在住。2013 年東京芸術大学大学院美術研究科修了。幼少時の競泳とシンクロナイズドスイミングで学んだ水中での経験をもとに、パフォーマンス、ビデオ、ドローイングや立体の作品制作を行なう。国内外の都市空間の中で、それぞれの場所の歴史や記憶を浮かび上がらせるような行為や仕掛けを展開。近年の活動に、個展「水交渉」 クンストラーハウス・ベタニエン、ベルリン、ドイツ(2017)、グループ展「50 Jahre Künsthalle Bielefeld」 クンストハレ・ビーレフェルド、ビーレフェルド、ドイツ (2018)、演劇「餐桌上的神話學」 監督 Baboo Liao、國家戲劇院實驗劇場、台北、台湾 (2019)  https://kanakohayashi.studio/

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