アートプロジェクト
陸前高田2011-2020
畠山直哉
畠山直哉「陸前高田2011-2020」は、展示会場に老朽化による構造の劣化が開幕直前になって確認され、剥落等の懸念が生じ、作品の設置・公開を見送っておりました。8月23日現在まで、管理団体による調査が進められていますが、当芸術祭閉幕までに安全確認がとれない見通しとなったため、誠に申し訳ありませんが、9/5まで(会期内)の展示・公開は断念いたしました。鑑賞者の安全のための措置・決定として、ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
(東京ビエンナーレ事務局)
岩手県の陸前高田に生まれ育った畠山は、石灰石鉱山を撮影したシリーズ「LIMEWORKS」、石灰石鉱山の発破の瞬間を収めた「BLAST」シリーズ等、一貫して都市の問題をテーマに創作活動をし、世界中から高い評価を得ています。
2011年、畠山自身の家族が東日本大震災に被災したことを境に、地元の陸前高田を撮影し始めます。震災の爪痕から現在の復興の途に至るまで、約9年間写真を撮影し続けてきました。東京ビエンナーレでは、その膨大な写真群のコンタクトプリントを展示する予定です。フィルムをそのまま印画紙に密着させて原寸プリントしたコンタクトプリントは、畠山が見てシャッターを切ったカットがすべてプリントされています。セレクトされていない状態の写真群からは、何が見えるでしょうか。
(2020年3月現在)
1: 《畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景》展示より、2016、せんだいメディアテーク(仙台)、Photo by 畠山直哉
2: 《畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景》展示より、2016、せんだいメディアテーク(仙台)、Photo by 畠山直哉
3: 《Rikuzentakata / 2011.10.13 Takata-cho tatenooki》
作家について
畠山直哉 (写真家)
1958年、岩手県陸前高田市生まれ。東京を拠点に、自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた作品を制作。2001年『ヴェネツィア・ビエンナーレ』に日本代表の一人として出品。2012年『ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展』日本館に出品(金獅子賞)。2001年、第42回毎日芸術賞。2012年、芸術選奨文部科学大臣賞。