K23アートプロジェクト

Praying for Tokyo 東京に祈る─「Well Temperament 良律」

柳井信乃

エリア
神田・湯島・上野・蔵前
日程
2021年8月2日(月)〜9月5日(日) ※当初予定より会期延長となりました ※8/11(水)〜18(水)休場
時間
10:00〜16:30 (最終入場16:00)
会場
湯島聖堂 西廡(回廊)
その他

【料金】パスポート
【追加情報】
●音声ガイドあり
●1名ずつのご案内となります。前の方が終わり次第のご案内となりますので、ご入場までお待ち頂く場合がございます。

新進アーティストの柳井信乃は、湯島聖堂の空間を音の場と捉えます。制作スタジオがロンドンのオリンピック・スタジアムの近くにあり、その環境と人間の行動の観察から新作が生まれました。ウェルテンペラメントはバッハの「平均律ピアノ曲集」の英語名で記されているWell-Temperedから引用。今回のプロジェクトでは、ウェルテンペラメントにあたる「良律」と言う中国語を採用し、音楽家たちが求めた調和をもたらす音律と、現在の社会の状況を重ね、「良律」とは何かを考えさせられるインスタレーションとなっています。

(2021年6月現在)

1: 《Well Temperament》 ©︎Shino Yanai
2: 《Happy and Glorious》 ©︎Shino Yanai
3: 《Blue Passages》 ©︎Shino Yanai

●音声ガイド 無料公開中
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作家について

柳井信乃 (アーティスト)

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、スレード美術学校博士課程在籍。ロンドンを拠点に活動。社会学的なリサーチをもとに、パフォーマンスや、映像と音などを用いたインスタレーションを制作。最近は、音と記憶の関係に関心を持ち、社会的・歴史的に疎外されたものをフィールドワークによって捉え、作品化している。近年の主な個展に、「The Deep End」(佐賀町アーカイブ、2019年)、「Blue Passages」(White Conduit Projects、ロンドン、2016年)。グループ展に、「距離をめぐる11の物語:日本の現代美術」(オンライン展覧会:国際交流基金、2021年)、「de-sport: 芸術によるスポーツの解体と再構築」(金沢21世紀美術館、2020年)、「夢か、現か、幻か」(国立国際美術館、2013年)。
https://shinoyanai.com

Photo : ©︎Shino Yanai

《Praying for Tokyo 東京に祈る》について

時間の軸を縦にとれば、東京の過去から未来への流れがあり、横を見まわせば人や空間のつながりという軸がある。その交差点に立って我々は混乱の現在を実感する。過去の悲劇を忘れないこと、今から未来へできることは何か。まずは祈ることから私たちは始めていく。内藤 礼、宮永愛子、柳井信乃。3人の女性アーティストが湯島、蔵前、上野の各所で、過去を鎮魂し未来に捧げる「祈りの空間」をつくりだします。(小池一子)

内藤 礼、宮永愛子、柳井信乃という3人の女性アーティストとともに、東京の各所で過去を鎮魂し、未来へと捧げる「祈りの空間」をつくりだします。

「私は生きた」
内藤 礼

1945年3月10日の東京大空襲は下町空襲とも呼ばれています(死者数は10万人を超える)。東京の現在から振り返る過去の街と人を思うとき、私たちは真の意味での鎮魂を祈念します。すなわち、惨劇を繰り返すことのない現在を確保し続けること。内藤礼は蔵前の寺院、長応院境内のギャラリー・空蓮房(くうれんぼう)に最小の彫刻—「ひと」—を配置し、墓地の慰霊碑には水を捧げる。また戦火の中、子供たちが避難した防空壕に「ひと」のインスタレーションを行い、なお祈り続けています。3つの場所で生が応答し合い、今生きている私たちを触発します。

「ひかりのことづけ」
宮永愛子

江戸幕府の官学所「湯島聖堂」、宮永愛子は図書館発祥の地といわれる湯島聖堂の大らかな回廊にひかりの陰陽を感じとります。ガラスの素材に関わってきたキャリアの中で捉えた光の魅力。特別なマテリアル、古代の石サヌカイトは時折美しい音色まで聞かせてくれます。都心とは思えぬ緑の中の静けさに満ちる、饒舌な自然と街の音とともに、ひかりに導かれるインスタレーションです。

キュレーター

小池一子 (クリエイティブディレクター/佐賀町アーカイブ主宰)

1980年「無印良品」創設に携わり、以来アドバイザリーボードを務める。ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館「少女都市」(2000年)、「横尾忠則 十和田ロマン展 POP IT ALL」(2017年、十和田市現代美術館)などの展覧会の企画、ディレクションを手がける。1983年にオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術家を国内外に紹介(〜2000年)。近著に『イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事』(2017年、HeHe)他。2019年、文化庁メディア芸術祭功労賞受賞。武蔵野美術大学名誉教授。
Photo: Taishi Hirokawa

会場

所在地

東京都文京区湯島1-4-25

アクセス

・JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅より徒歩2分
・東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅より徒歩2分
・東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅より徒歩1分

その他

お問い合わせ
03-3251-4606
www.seido.or.jp