K07アートプロジェクト

ひかりのことづけ

宮永愛子

エリア
神田・湯島・上野・蔵前
日程
2021年7月11日(日)〜7月29日(木)
時間
10:00〜16:30
会場
湯島聖堂 前庭
その他

【料金】無料

江戸幕府の官学所「湯島聖堂」、宮永愛子は図書館発祥の地といわれる湯島聖堂の大らかな回廊にひかりの陰陽を感じとります。ガラスの素材に関わってきたキャリアの中で捉えた光の魅力。特別なマテリアル、古代の石サヌカイトは時折美しい音色まで聞かせてくれます。都心とは思えぬ緑の中の静けさに満ちる、饒舌な自然と街の音とともに、ひかりに導かれるインスタレーションです。

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団

(2021年6月現在)

1: ©MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery
2: ©MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery
3: ©MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery、Photo by 木奥惠三

作家について

宮永愛子 (現代美術家)

美術家。1974年、京都生まれ。2008年東京藝術大学大学院修士課程修了。日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩、陶器の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品で注目を集める。2013年「日産アートアワード」初代グランプリ受賞。主な個展に「宮永愛子:漕法」高松市美術館(香川、2019年)、「みちかけの透き間」大原美術館有隣荘(岡山、2017年)、「宮永愛子:なかそら―空中空―」国立国際美術館(大阪、2012年)など。

Photo by MATSUKAGE ©MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery

《Praying for Tokyo 東京に祈る》について

時間の軸を縦にとれば、東京の過去から未来への流れがあり、横を見まわせば人や空間のつながりという軸がある。その交差点に立って我々は混乱の現在を実感する。過去の悲劇を忘れないこと、今から未来へできることは何か。まずは祈ることから私たちは始めていく。内藤 礼、宮永愛子、柳井信乃。3人の女性アーティストが湯島、蔵前、上野の各所で、過去を鎮魂し未来に捧げる「祈りの空間」をつくりだします。(小池一子)

内藤 礼、宮永愛子、柳井信乃という3人の女性アーティストとともに、東京の各所で過去を鎮魂し、未来へと捧げる「祈りの空間」をつくりだします。

「わたしは生きた」
内藤 礼

1945年3月10日の東京大空襲は下町空襲とも呼ばれています(死者数は10万人を超える)。東京の現在から振り返る過去の街と人を思うとき、私たちは真の意味での鎮魂を祈念します。すなわち、惨劇を繰り返すことのない現在を確保し続けること。内藤礼は蔵前の寺院、長応院境内のギャラリー・空蓮房(くうれんぼう)に最小の彫刻—「ひと」—を配置し、墓地の慰霊碑には水を捧げる。また戦火の中、子供たちが避難した防空壕に「ひと」のインスタレーションを行い、なお祈り続けています。3つの場所で生が応答し合い、今生きている私たちを触発します。

「Well Temperament 良律」
柳井信乃

新進アーティストの柳井信乃は、湯島聖堂の空間を音の場と捉えます。制作スタジオがロンドンのオリンピック・スタジアムの近くにあり、その環境と人間の行動の観察から新作が生まれました。ウェルテンペラメントはバッハの「平均律ピアノ曲集」の英語名で記されているWell-Temperedから引用。今回のプロジェクトでは、ウェルテンペラメントにあたる「良律」と言う中国語を採用し、音楽家たちが求めた調和をもたらす音律と、現在の社会の状況を重ね、「良律」とは何かを考えさせられるインスタレーションとなっています。

キュレーター

小池一子 (クリエイティブディレクター/佐賀町アーカイブ主宰)

1980年「無印良品」創設に携わり、以来アドバイザリーボードを務める。ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館「少女都市」(2000年)、「横尾忠則 十和田ロマン展 POP IT ALL」(2017年、十和田市現代美術館)などの展覧会の企画、ディレクションを手がける。1983年にオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術家を国内外に紹介(〜2000年)。近著に『イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事』(2017年、HeHe)他。2019年、文化庁メディア芸術祭功労賞受賞。武蔵野美術大学名誉教授。
Photo: Taishi Hirokawa

会場

所在地

東京都文京区湯島1-4-25

アクセス

・JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅より徒歩2分
・東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅より徒歩2分
・東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅より徒歩1分

その他

お問い合わせ
03-3251-4606
www.seido.or.jp