アートプロジェクト

千代田区の夜

ティンティン・チェン

<Tokyo Biennale 2020 SOCIAL DIVE Artist-in-Residence Projects>

千代田区は東京都で最も人口の少ない区であり、昼夜の人口差が最も大きい区です。本プロジェクトでは、日本の歴史と文化を考察した音声ガイド付きの千代田区を巡るツアーを開催します。このツアーから得られる地区の知られざる夜の景色の発見を通して、集団主義や閉鎖的な国家・民族の概念に挑みます。ツアーの候補スポットは、靖国神社、朝鮮総連(在日本朝鮮人総聯合会)、霞ヶ関駅などを予定しています。参加者には自身のスマートフォンに本プロジェクトの音声ガイドをダウンロードしてもらい、指定された地点からツアーを開始します。音声ガイドは第二次世界大戦で亡くなった台湾人日本兵、在日外国人、1995年から継続して通勤している幽霊など、過去の人々の魂が彼ら自身のことを語りながら、歩き方の指示を出してくれます。幽霊、魂、歴史、忘れられた過去は夜になると現れます。《千代田の夜》では、忘れられた物語が語り継がれ、訪れた人と過去の人々の魂とが共に歩きます。この体験を通して、千代田区は観光客、資産家、皇室の為だけの地域ではなく、兵士や移民、通勤者、恋人、家族、植民地化された人々も暮らした土地であることに気付かされます。

(2020年3月現在)

1: 《2 March 1981》オーディオガイド参加の記録、2018年、Fordham Park(ロンドン)、Photo by Ting-Ting Cheng
2: 《千代田区の夜》靖国神社周辺のイメージスケッチ(東京)、2020年、Drawing by Fabio Sayegh
3: 《千代田区の夜》在日本朝鮮人総聯合会中央本部周辺のイメージスケッチ(東京)、2020年、Drawing by Fabio Sayegh

作家について

ティンティン・チェン (アーティスト)

台北とロンドンを拠点に活動。ウェストミンスター大学写真学科で修士号、ゴールドスミスカレッジで美術修士号を取得。アーカイブ資料を再解釈し、現在の文脈の中での物語を構築することで、私たちの文化的、国家的、人種的なアイデンティティを考察する。これまでに台北美術館、Galerie Grand Siècle(台北)、Identity Gallery(香港)、ギャラリーノマル(大阪、日本)、Luis Adelantado (ヴァレンシア、スペイン)、Iniva(ロンドン)などで個展を開催。また、「Bi-City Biennale of Urbanism/Architechture」(深圳、中国)、「III Moscow International Biennale for Young Art」(モスクワ)、「Contemporary Art Festival Sesc_Videobrasil」(サンパウロ)に参加し、観都美術館(台北)、国立台湾美術館(台中)、国立中国美術館(北京)などでグループ展に参加する。Addaya Art Centre(パルマ、スペイン)、GlogauAIR(ベルリン)、Ben-Uri Museum、Iniva(ロンドン)、CFCCA(マンチェスター)、cheLA(ブエノスアイレス)、Zero Station(ホーチミン)、ソウル近代現代美術館、台東美術館(台東)などでアーティスト・イン・レジデンスに参加。

Photo by Ting-Ting Cheng

アートプロジェクト