ソーシャルプロジェクト

ソーシャルダイブ・スタディーズ

日程 活動期間5/29(土)〜9/11(土)
時間 5/29~7/3は[14:00~16:00]|7/14~9/11は[19:00~20:30]
会場 アーツ千代田3331

ソーシャルダイブ・スタディーズ(以下、SDS)は、2020年に都下の大学教員有志によって組織された学環創出プロジェクトを礎にひらかれ、街のさまざまな場やコミュニティに飛び込んで、アートプロジェクトを起こしていく「街のプレーヤー」の育成プログラムです。
新型コロナウイルス感染拡大により、これまで蓄積されてきた街づくりやアートプロジェクトの方法論は、根底から揺らいでいます。SDSでは、7月に都心北東エリアで開催される国際芸術祭「東京ビエンナーレ2020/2021」の参加アーティストたちに伴走し、彼らの切実なトライアルを応援しながら、多彩な講師陣とともにポストコロナ社会におけるアートプロジェクトの役割や可能性を考えていきます。

[実施内容]

SDSでは、経験豊富なディレクターや経営者、研究者らを講師に招き、受講生も含めたオープンな対話のなかから、東京でアートを実践するために必要な視点・経験・方法論を探究していきます。3ヶ月半に渡るプログラムは、レクチャー、インターンシップ 、プレゼンテーション、クロストーク、ワークショップの5つで構成され、それぞれに担当ファシリテーターがついて、メンバーの学びをナビゲートします。

1|レクチャー
「アートプロジェクトにダイブする前に知ってほしい7つのこと」
2021年現在の「東京」が抱える課題や可能性を、拡張現実、コミュニティデザイン、アートビジネス、SDGsなどの視点から読み解きつつ、アートプロジェクトへの接続を試みるスペシャル講義。

●01 「企業がアートにかかわるとき」 金城敦彦(三菱地所)+宮尾弘子(良品計画)
●02 「コミュニティにアクセスするには」 山崎亮(studio-L)
●03 「街をリサーチする目線」 原田祐馬(UMA/design farm)
●04 「芸術と技術の間にユーモアを」 川田十夢(AR三兄弟)
●05 「ぼくの東京アートガイド」 ナカムラクニオ(6次元)
●06 「アートとビジネスのメディウムを探して」 遠山正道(Smiles:代表)
●07 「クリエイションに伴走する言葉」 小池一子(東京ビエンナーレ総合ディレクター)

2|インターンシップ
「東京ビエンナーレ2020/2021運営サポート」
市民参加型芸術祭のボランティアサポートを通して「街×アート」最前線を体感できるアートプロジェクトの現場研修です。アーティストの作品制作・設置補助や、会場整備に作品ガイド、ツアーやイベントの案内、広報業務などをサポート。

3|プレゼンテーション
「学環創出フォーラム」
2020年にスタートした東京ビエンナーレの学環創出プロジェクトは、都内にあるさまざまな大学の垣根をこえ、社会とアートを結びつける理論や技法を探求しています。SDSプログラムでは、発起メンバーが持ち回りで東京ビエンナーレに関する研究発表をおこなうフォーラム(公開討論会)を実施。アートだけではなく認知科学、公民連携、美術教育などの諸分野を横断しながら、第1回東京ビエンナーレについて考察していきます。

●研究会発起メンバー:佐藤慎也(八戸市美術館館長/日本大学教授)、高木紀久子(東京大学大学院特任助教)、中島伸(東京都市大学准教授)、廣江彰(元東京家政学院大学学長)
研究発起メンバープレゼンテーション(2020年10月27日)
2020年の活動について[PDF]

4|クロストーク
「東京ビエンナーレ参加アーティストトーク vol.1~8」
東京ビエンナーレ2020/2021開催期間中の水曜夜にオープンする、アーティスト/コーディネーター陣とSDS受講生との交流プログラム。アーティスト自身による解説と質疑応答を通して、東京ビエンナーレ展示作品について理解を深めるとともに、毎回ゲストとして参加するさまざまなアーティスト側の視点から、アートプロジェクトの魅力や制作プロセスについて学んでいきます。

5|ワークショップ
「ソーシャルダイブ・ラボ」
1~4での学びや経験をふまえて、受講生自身が「東京」をテーマとするアートプロジェクトを企画立案するワークショップ型プログラム。東京ビエンナーレ2020/2021「ソーシャルダイブ公募部門」から生まれたアートプロジェクト実例をケーススタディーとしながら、1名1企画(アートプロジェクト提案書)をSDS修了制作・研究として提出し、ディレクター陣による講評を受けます。東京ビエンナーレでの経験知を活かして、メンバーが自らアートプロジェクトを構想していきます。

活動レポート

【活動レポート】[SDSノート]
「ソーシャルダイブ・スタディーズ」に参加する市民メンバーが、毎週の活動後にふりかえりレポートを、東京ビエンアーレ公式note『TOKYO BIENNALE note』にリレー形式で執筆・投稿しています。

企画プランナー/ファシリテーター

(五十音順)

青木彬(ソーシャルダイブ・ラボ担当)

一般社団法人藝と代表理事。1989年東京都生まれ。首都大学東京インダストリアルアートコース卒業。アートを「よりよく生きるための術」と捉え、アーティストや企業、自治体と協同して様々なアートプロジェクトを企画している。これまでの主な企画に、まちを学びの場に見立てる「ファンタジア!ファンタジア!─生き方がかたちになったまち─」ディレクター(2018~)。都市と農村を繋ぐ文化交流プロジェクト「喫茶野ざらし」共同ディレクター(2020~)。社会的養護下にある子供たちとアーティストを繋ぐ「dear Me」プロジェクト企画・制作(2018~)。「ソーシャリー・エンゲイジド・アート展」(2017, アーツ千代田3331)キュラトリアルアシスタント、「黄金町バザール2017 –Double Façade 他者と出会うための複数の方法」(2017, 横浜市)アシスタントキュレーターなどがある。共著に『素が出るワークショップ』(学芸出版)がある。

伊藤達矢(学環創出フォーラム担当)

東京藝術大学特任准教授。東京ビエンナーレ2020/2021 学環創出プロジェクトディレクター。1975年、福島生まれ。東京藝術大学大学院博士課程美術教育修了。博士号取得。専門は美術教育。アートプロジェクトのディレクションなど、多様な文化プログラムの企画立案に携わる。東京都美術館と東京藝術大学の連携によるアートコミュニティー形成事業「とびらプロジェクト」および、上野公園内に集積する9つの文化施設を連携させたラーニングデザインプロジェクト「Museum Start あいうえの」ではプロジェクト・マネージャを勤める。共著に『美術館と大学と市民が作る ソーシャルデザインプロジェクト』(青幻舎)、『TOKYO1/4 が提案する東京文化資源区の歩き方』(勉誠出版)、『ミュージアムが社会を変える~文化による新しいコミュニティ創り』(現代企画室)等。

宍戸遊美(インターンシップ担当)

3331 Arts Chiyodaジェネラルマネージャー。1978年東京都荒川区生まれ。東京造形大学美術学部絵画専攻卒業。卒業後、保育所芸術専門員の仕事に従事しながら、沖縄県沖縄市でのアートプロジェクトの立ち上げと展覧会制作・発表を行う。2004年に芸術活動コマンドNに加入し、東京都千代田区でのアートスペース運営と、富山県氷見市、秋田県大館市でのアートプロジェクトの事務局を担当。2008年より3331 Arts Chiyodaの立ち上げに参加し、現在は地域担当マネージャーを担当。2013年に個展「レインボーレーン」を開催。東京ビエンナーレ2020/2021ではアドミニストレーターを務める。

宮本武典(企画統括/レクチャー/クロストーク担当)

キュレーター、アートディレクター。1974年奈良生まれ。海外子女教育振興財団(泰日協会学校/バンコク)、武蔵野美術大学パリ賞受賞により渡仏、原美術館学芸部を経て、2005年に東北芸術工科大学へ。2019年3月まで同大教授・主任学芸員として東北各地で数多くの展覧会をキュレーションした他、東日本大震災の復興支援プロジェクトを牽引した。「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」プログラムディレクター(2014~2018)、東北芸術工科大学東北復興支援機構ディレクター(2011~2017)、東根市美術館芸術監督(2016~)などを歴任。2019年より角川文化振興財団のクリエイティブディレクターとして角川武蔵野ミュージアム(所沢市/隈研吾設計)の開館事業に参加。現在、東京ビエンナーレプログラムディレクター、東京藝術大学テクニカルインストラクター。

コーディネーター:工藤大貴

(2021年6月現在)