【終了】【西尾美也】3つの服にまつわるワークショップ

日程2021年7月10日(土)〜9月5日(日)
時間「いただ着ます」毎週水曜日 10:00-16:00
「感覚の洗濯」 毎週土曜日 10:00-16:00
「ちびっこテーラー」毎週火・木・日曜日 13:30-17:30
会場海老原商店(東京都千代田区神田須田町2-13-5)
料金「いただ着ます」一人1,000円/回
「感覚の洗濯」 一人500円/回(途中参加可)
「ちびっこテーラー」一人2,000円/回
※ワークショップ参加者は常設展示(500円)も合わせてご覧いただけます
お申し込み参加申し込みはこちら
お申し込みは前日18:00〆切までにお願いします。お申し込み後は持ち物をご準備の上、当日海老原商店へお越しください。
対象・定員:
「いただ着ます」各回2名以上のご家族1グループ
「感覚の洗濯」年齢不問(小学生以下は保護者同伴)各回10名
「ちびっこテーラー」小学3年生〜中学3年生 各回5名
運営主催:「着がえる家」実行委員会、⼀般社団法⼈東京ビエンナーレ
協力:海老原商店を活かす会
お問い合わせ「着がえる家」実行委員会
TEL:03-5816-3220(東京ビエンナーレ事務局内)
info(at)tokyobiennale.jp

西尾美也「着がえる家」3つの「服」にまつわるワークショップ

美術家の西尾美也は、装いの行為とコミュニケーションに着目したプロジェクトを国内外で展開してきました。今回舞台となる海老原商店は、1928年築の元洋服店で、古着、既製服、反物と扱う品を変えながら、日本の洋装化の歴史とともに歩んできました。商店が面している柳原通りは、江戸時代後期に古着を扱う露店が多く店を開いた場所で、明治維新後も古着を扱う一大市場として継続しました。「着がえる家」では、西尾がこの海老原商店の新しい店主として住み込み型のプロジェクトを展開し、当エリアの未来について、ひいてはこれからの装いと人間の関係について考えを巡らせます。

常設展示では、家族写真と服をテーマにした旧作のシリーズや、西尾が自ら子育てをする中で実践している服と生活の関係を紹介します。

ワークショップでは、「料理」や「洗濯」「遊び」などの日常的な行為を取り入れ、多様な装いの参加者が日々出入りする場所になることを目指します。店舗では、ワークショップで生まれた新しい服を販売します。本プロジェクトを通して、誰もが毎日のように行う着がえることの喜びを再発見する機会となるでしょう。

ワークショップ参加者募集!

■「いただ着ます」

持ち物は、好きな「食材」とそれを連想させる「服」。前半は、持ち寄った食材で「料理」をします。どんなランチができるかは、集まった食材しだい。後半は、料理と同じ感覚で「服」を切ったり?混ぜたり?焼いたり?煮たり?して、新しい服を作ります。

時間10:00~16:00
会場海老原商店(東京都千代田区神田須田町2-13-5)
対象・定員各回2名以上のご家族1グループ
参加費一人1,000円/回(常設展示もご覧いただけます)
持ち物好きな食材(果物、野菜、肉、魚など)とそれを連想させる不要な服をご持参ください(例:さんまと光沢のあるグレーのスラックス、サニーレタスと緑のフレアスカート、海苔と黒のナイロンジャケット、乾燥千切り大根と麻のレース編みストール……など)。

※ワークショップで制作した服は、アーティストの西尾美也が仕上げ作業を行い、「着がえる家」の商品として販売させていただく場合があります。商品の売り上げは、「着がえる家」プロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

▼当日のワークショップの流れ
10:00~10:30 食材と服の紹介
それぞれ持ち寄った食材と服について紹介し、集まった食材でどんな料理を作るか相談し、レシピを作成します。

10:30~11:30 料理
完成したレシピに沿って厨房で料理をします。

11:30~12:30 いただ着ます(昼食)
完成した料理を食べ、後半の服の作り方について相談します(料理のレピシに基づきながら、それを服の場合どのように加工したら面白いかを話し合います)。

12:30~15:30 服作り
考えた方法で服を作ります。

15:30~16:00 いただ着ます(試着) 
完成した服を試着します。

■「感覚の洗濯」

普段は家の中で洗濯機を使って行う洗濯を、参加者と一緒に手洗いで行います。服と水をぶつけて音楽を奏でたり、石鹸のにおいを味わったり、服が乾くまでの時間は洗濯物の風景を眺めながらランチをしたり、スケッチをして記録に残します。会場は、柳原通りに面する伝統的商店建築の海老原商店です。1928年築の元洋服店を、洗濯物によって彩ります。

時間10:00~16:00
※小雨決行。荒天の場合は中止します。
会場海老原商店(東京都千代田区神田須田町2-13-5)
対象年齢不問(小学生以下は保護者同伴)
定員各回10名
参加費一人500円/回(途中参加可、常設展示もご覧いただけます)

※ワークショップで描いた絵は、「着がえる家」の記録として活用させていただきます。お持ち帰りいただくことはできませんのご了承ください。また、Tシャツに転写するなど商品として販売させていただく場合があります。商品の売り上げは、「着がえる家」プロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

持ち物:
・手洗いしたい洋服やタオル、マスクなど10点程度
・お弁当(コンビニ等で購入も可)、水筒、帽子、レジャーシート
・写生用の道具(鉛筆、消しゴム、水彩絵の具セットなど)
※洗濯や写生に必要な道具はこちらでも用意します。

「なぜ感覚の洗濯なのか」
日本では洗濯機が普及し、景観保護の目的で隠されることが多い洗濯物ですが、たとえばケニアでは、手洗いで洗濯をする人の姿が街に活気を与え、干された服が街の風景を彩っています。ワークショップでは、洗濯物を万国旗のように街を彩り祝祭するモチーフとして捉えなおし、洗濯して干すという誰もが参加できる方法でパブリック・アートを作り出します。また、たとえば奈良では、東大寺や浮見堂などの観光名所で、小中学生や同好会の人たちが写生会をしている姿が見られます。ワークショップでは、自分たちの街の歴史や景観に向き合う行為として、自らが作り出した「洗濯物のある風景」を写生して記録します。自分の服を手入れして屋外に展示し、それを毎日のように繰り返す洗濯行為は、誰もができる参加型アートとして、すでに非常にすぐれた表現だと言えます。利便性の追求や機械化を否定するつもりはありませんが、洗濯のこうした豊かさに改めて目を向け、手洗いの洗濯行為を通して、第一の服である身体を、感覚を洗濯して、その場所にさらされる経験が、今の時代にこそ必要な気がしています。(西尾美也)

▼当日のワークショップの流れ
10:00~10:15 洗濯の説明(現地集合、ワークショップの概要を説明します)

10:15~11:00 洗濯の音楽(洗濯開始、手洗いによって音楽を奏でます)

11:00~11:30 洗濯の展示(洗濯物をロープに干し、街を彩ります)

11:30~12:30 洗濯の花見(お昼休憩、洗濯物を眺めながら昼食をとります)

12:30~15:00 洗濯の写生会(洗濯物が乾くのを待ちながら、洗濯物が干されている風景を写生します)

15:00~ 洗濯の試着(洗濯物が乾いたら、着替えて解散します)

※途中参加の場合、いずれかの行程のみの参加も可能です。

■ちびっこテーラー

ハサミとミシンを使って、古着を創造的に作り変える「服の造形教室」です。
服に穴をあけることでデザインをする「虫食い」や、切られて一部がなくなった服を自由な発想で再生する「トカゲのしっぽ」、普通ではない服を作る「間違えた服」などのユニークな課題によって、独創的な服作りを目指します。会場は、柳原通りに面する伝統的商店建築の海老原商店です。1928年築の元洋服店で、ちびっこテーラーたちが新しい服を生み出します。

*「テーラー」とは?
採寸やデザイン、裁縫までを行い、服を完成させる仕事です。

時間13:30~17:30
会場海老原商店(東京都千代田区神田須田町2-13-5)
対象小学3年生~中学3年生
定員各回5名
参加費一人2,000円/回(常設展示もご覧いただけます)

※ワークショップで制作した服は、お持ち帰りいただくことはできませんのご了承ください。アーティストの西尾美也が仕上げ作業を行い、「着がえる家」の商品として販売させていただく場合があります。商品の売り上げは、「着がえる家」プロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

※8/22(日)の「ちびっこテーラー」ワークショップは開催中止となりました。参加をご検討されていた方は申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願いいたします。常設展示は通常通りご覧いただけます。

「なぜちびっこテーラーなのか?」
装いは全人類に共通した行為ですが、「服の着方」は、その人が生まれ育った文化や時代に大きく規定されています。人は成長過程を通して、一定の服の着方を習得し、やがてそのことを疑うことさえしなくなります。そうした均質化した価値観に基づいてデザイナーや企業による新しい服作りが毎シーズン行われ、提示され続けることで、人々は次なる消費行動へと導かれます。こうした状況に対抗するために、ちびっこテーラーワークショップでは、子どもたちが古着を使って創造的な造形を行うことで、「服を着る方法の多様化」や「服を作る機会の提供」を図ります。
──子どもたちを次なる消費者としてではなく、表現者として育てる
つまり、子どもたちを次なる消費者としてではなく、表現者として育てることを目的にしています。来年の東京ビエンナーレ2020/2021コア期間では、ワークショップに複数回通って一人前のちびっこテーラーになると、大人を相手にしたオーダーメイドに挑戦することになります。子どもといえども、すでに服を着ている装いの参加者です。ちびっこテーラーの存在によって、大人もまた服で遊び、学び合う機会になるでしょう。(西尾美也)

▼当日のワークショップの流れ(継続参加者は別に進行します)
13:30~14:00 工夫して着る服「くふぅく」の試着

14:00~14:30 デザイン技法の紹介(アップリケ、パッチワーク、虫食い、間違えた服、トカゲのしっぽ)

14:30~15:00 デザインと素材選び

15:00~17:00 制作

17:00~17:30 試着・撮影

常設展示情報

詳細はこちら

《おそろい》2006年
《お絵かきの服》2019年
《ねまきっと》2010年

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