会期後半! 注目プロジェクトのご紹介

東京ビエンナーレ2020/2021の会期も後半に差しかかりました。新たに展示が始まった作家の中から注目プロジェクトをご紹介します。アーティストたちの作品の数々が、普段は美術作品の展示会場としては使われていない場所で展開されている「見なれぬ風景」をどうぞご高覧ください。

●佐藤直樹 《そこで生えている。2013-2021
会期 2021年7月30日(金)〜8月28日(土)
時間 11:00〜18:00
会場 正則学園高校 6階教室(東京都千代田区神田錦町3-1)※要パスポートまたは個別観賞券

2013年から現在も終わることなく続いている木炭画シリーズ「そこで生えている。」。東日本大震災後に突き動かされるように絵画制作へと向かった佐藤の絵は、まるで雑草のように増殖し続けています。今回は、正則学園高等学校の校舎に、現在も描き続ける「そこで生えている。」と「勢揃坂」シリーズを合わせた280枚を連結させ、佐藤にとって過去最長となる270メートルの絵画回廊を出現させます。

●池田晶紀いなせな東京 Project
会期 2021年7月30日(金)〜8月28日(土)
時間 11:00〜18:00
会場 正則学園高校 7階体育館(東京都千代田区神田錦町3-1)※要パスポートまたは個別観賞券 

写真家の池田晶紀氏が“神田っ子”をモデルにポートレイトを撮影する企画として、2012年から継続するプロジェクト。現在では神田からエリアを広げ、現代の“江戸っ子”を写し出すポートレイトとして撮影と発表が行われています。今回は、これまでに撮影されたポートレイト展示の他、写真を介して様々な人たちが繋がる空間を作り出します。池田の写真から映し出される“粋”で“いなせな”東京の姿をご覧ください。

柳井信乃Praying for Tokyo 東京に祈る─「Well Temperament 良律」
会期 2021年8月2日(月)〜9/5(日) *8/12(木)‒18(水)閉場
時間 10:00〜16:30(最終入場16:00)
会場 湯島聖堂 西廡(回廊)(東京都文京区湯島1-4-25)※要パスポート

タイトルはバッハの「平均律ピアノ曲集」の英語名で記されているWell-Temperedから引用。今回は、ウェルテンペラメントにあたる「良律」と言う中国語を採用し、音楽家たちが求めた調和をもたらす音律と、現在の社会の状況を重ね、「良律」とは何かを考えさせられるインスタレーションを繰り広げます。前半会期に終了した宮永愛子のひかりの空間とはガラリと変わった湯島聖堂を、ぜひご堪能ください。

立花文穂《球体9『機会 OPPORTUNITIES』》
会期 2021年8月1日(日)〜9月5日(日) 月、火、8/6休
時間 水〜日 11:00〜18:00(ガラス越し観賞)
   金土日 17:00〜19:00(インスタレーション/予約制)
会場 総武線御茶ノ水~秋葉原駅間旅籠町橋高架下(東京都千代田区外神田1-4-3

本や文字、書、紙などにまつわる作品をつくり続けている立花文穂は、会場に活版印刷機を運び込み、自身が責任編集する雑誌『球体』最新号となる9号を現地制作します。電気街の喧騒から離れた廃墟的空間に活版印刷の機械音が響き、インクをのせて刷り出されていく紙片によって、立花が2007年より追求する「球体」の最新ビジョンが徐々に形づくられていきます。

●中村政人私たちは、顔のYシャツ
会期 2021年8月8日(日)〜9月5日(日)
時間 11:00〜18:00
会場 東京都千代田区神田小川町2-1(東京都千代田区神田小川町2-1

1920年に創業したオーダーワイシャツの専門店「顔のYシャツ」。看板建築として約100年間、逸脱した存在感を抱くこの店舗そのものを作品化します。一階の店舗、二階、三階の住居内部を巡り神田のゲニウスロキを知覚するように体験します。インスタレーションは、会期中オンゴーイングで展開していきます。

●西村雄輔Spirit of the Land 〈地の精神〉
会期 2021年8月7日(土)〜9月5日(日)
時間 11:00〜18:00
会場 有楽町ビル(東京都千代田区有楽町1-10-1

「地」そのものに触れながら、過去=現在=未来が共存する光景が感じられる瞬間をつくりだす。西村が長年継続して取り組んでいるプロジェクトです。東京のど真ん中にあるオフィスビルを舞台に地中の奥深く、マントルの向こう側の「地」に触れ、「地」の声に耳を澄ませるインスタレーションを展開します。

●宇川直宏DOMMUNE | THE 100 JAPANESE COMTEMPORARY ARTISTS season 7 #054 DADAKAN 糸井 貫二(ダダカン)》AR作品
会期 2021年8月下旬〜9月5日 ※要パスポート
会場 どこでも出現可能

アーティスト・インタビュープロジェクト「THE 100 JAPANESE COMTEMPORARY ARTISTS」をseason7として展開。フューチュアリングアーティストは、今年100歳を迎えた孤高の前衛芸術家=糸井 貫二(ダダカン)氏です。現在、展開されているAR作品に加えて、どこの場所からでも見ていただける作品を追加発表します。(開発:AR 三兄弟 × 5G LAB)

●アン・サンスー(安 尚秀)one eye project
会期 2021年7月22日(木)〜9月5日(日)
会場 オンラインVR作品 ※要パスポート

《one eye project》は、1988年から今日まで継続している写真プロジェクトです。作家は、世界中の都市で出会った人々の《one eye photo》を撮影し続けています。今回は、都立工芸高等学校に協力いただき、VR作品として展開しました。


●伊藤ガビンモダンファート 第2号 特集 社会的距離の思い出
会期 2021年8月20日(金)〜9月5日(日)
時間 12:00〜18:00
会場 アーツ千代田3331屋上(東京都千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田 3331 屋上)※要パスポート

体験型雑誌『モダンファート』の第2号。今回の特集テーマは「社会的距離の思い出」です。2020年初頭から急激に増殖した「ソーシャルディスタンス」に纏わる出来事を、空間的にコラージュします。未だ収まる気配のない新型コロナウイルス感染症の猛威とそれに対する反応を、少し未来の視点からアイロニカルに味わう空間になります。

●commandN天馬船プロジェクト
イベント 2021年9月5日(日)
会場 神田川(東京都千代田区神田須田町1(万世橋付近)

イベントや寄付を通して、人々の河川への意識を少しずつ変えていくことを目指すアートプロジェクトです。木造和船を模した長さ約25㎝のミニ天馬船を神田川(聖橋〜万世橋間)に浮かべ、川の流れにまかせてタイムトライアルを行います。参加者は、1000円の寄付につきミニ天馬船1艘分の参加権を得ることができ、イベント当日はミニ天馬船が川の上流から一斉に流れる様子をウェブ配信にて鑑賞できます。集まった寄付金の一部は、神田川の浄化・河川文化の振興活動にも役立てられます。展示ではこれまでのプロジェクトの様子をご覧いただけます。

展示会期 2021年7月19日〜終了未定
会場 マーチエキュート神田万世橋 N9(千代田区神田須田町1-25-4

●津村耕祐都市を纏う
イベント 2021年8月5日(木)〜8月17日(火)
会場 松坂屋上野店 本館7階 美術画廊

津村は対象地域のリサーチを重ね、ファスナーや組紐、和紙や扇子等の材料を集め、“着る”という視点のもとで創作を行い、展示期間中にはファッションショーを予定している。

●イ・ブル私はピクニックをしている子犬だと思う?1990~2021
会期 〜2021年9月5日(日)
会場 どこでも観賞可

韓国で最も有名なアーティスト、イ・ブル。本作では、90 年に東京で行な
われた機械と生物の間のようなソフトスカルプチャーを身に纏って街を歩く
パフォーマンスのデータを AR で再現。現代の東京に彼女の彫刻が降臨する
意味を考えさせられるとともに、パフォーマンス作品のアーカイブという意
味でも新たな試みとなっています。(開発:AR 三兄弟 × 5G LAB)

東京ビエンナーレ2020/2021の作品を存分にお楽しみいただくには、お得なパスポートチケットをお求めください。

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